受験する学校は、たいていの場合、行きなれない場所にあります。
こどもの負担を減らすためにも、少しでも早いルートで、少しでも短い移動時間で到着したいものです。
調べに調べた乗り換えルート。
ですが計画通りにいくとは限りません。
スマホの検索結果に翻弄される
遅刻していないとしても、目的地には早くスムーズに着きたいですよね。
たとえば品川駅にて、スマホで乗り換えを確認する母(私)。
となりには受験生の娘。
母「あれ、乗ろうとしてたのが遅延だって! 待って、すぐ調べる」
娘「はーい」
歩きスマホはできません。柱の陰で立ち止まり、検索。
母「えーと、今からだと京浜東北線が早いって。〇番線に行こう」
娘「はーい」
母「あ、あと2分しかない! 急ごう!」
娘「えー」
ホームに上がるエスカレーターは長蛇の列のため、階段を上がる私たち。
ですが、無情にも発車のベル。
母「わー出ちゃう」
娘は軽々と階段を駆け上がりますが、大荷物と運動不足の母はそんなに早くのぼれません。
出ていく電車。母は息を切らせながら、次の電車を検索します。肩から大荷物がずり落ちそうです。
母「はあはあ、ちょっと待って」
娘の白い目。
母「わっ、次の電車、となりのホームだって! 急げー」
階段を駆け下りようとする母に娘がひとこと。
娘「ねえ、なんでそんなに急いでるの?」
スマホを見ながら右往左往。親が焦る姿を見せるのがいちばんダメでした。
私はスムーズな乗り換えにこだわるあまり、かえって無駄な時間と労力を使ってしまいました。
駅からダッシュ
遅れたくないので、早め早めを心がけていました。
受験する学校の最寄り駅に着くのは、いつもけっこう早めでした。
こどもは「早すぎる」と不満そうでした。
だけど、遅刻するよりいいです。
余裕をもって、駅から学校まで歩けるのは、精神的によかったです。
学校の玄関を入っていくこどもを見送り、近くでたたずむこと3分くらい。
万一、忘れ物かなにかで戻ってこないとも限らないからです。
一度も戻ってきたことはありませんが。
それから「さ、コーヒーでも飲むか」とゆっくり来た道を戻ります。
道すがら必ず見かけたのが、駅からダッシュしている親子。
模試でも、入試の本番でもいました。
親も焦りますが、こどもはもっと不安なはず。
心の中で「大丈夫、大丈夫」と走る親子の後ろ姿に声をかけました。
余裕かましすぎて遅刻しそうになる
早すぎて失敗したこともあります。
ある模試の時、早い到着ついでに駅前で朝ごはんを食べることにしていました。
ファストフードでしたが、娘は好きなメニューが食べられて上機嫌。
私もゆっくりコーヒーが飲めてホッとしていました。
受験間近のあわただしい日々で、娘とゆっくりお茶するのも久しぶりです。
学校のこと、友達のこと、受験が終わったらやりたいことなど、話もはずみます。
そして、時間はあっという間に過ぎていました。
ハッと気づくといい時間に…。
遅刻はしませんでしたが、駅から競歩で学校に向かった私たち親子でした。