投稿者: tokyo

  • かける言葉は「がんばって」?

    これから入試にのぞむわが子を送り出すひとこと。

    勇気づけ、自信を持たせ、落ち着くようなことばをかけたいですよね。

    私もなんと声をかけようか考えたこともありました。

    記念すべきはじめての入試。

    埼玉での前受け受験では、学校とはちがってオフィスビルが会場であわててしまい、声かけがちゃんとできませんでした。

    「がんばって」について考えた

    近年?定番の声かけ「がんばって」が見直されています。

    つまりは、同じ「がんばって」をいわれても、受け取り方は人それぞれってことでしょうか。

    つらい状況の時に「がんばって」はつらさを増すだけ

    悲しみに沈んでいる時に「がんばって」はより悲しくなるだけ

    これ以上がんばれない人に「がんばって」は、その人を追い込むだけ

    いま、この相手に、「がんばって」はどうなのかな?

    少し想像すれば使い方は間違えないかもしれません。

    つい言ってしまいます

    そこで受験生のわが子へは…?

    ほとんどの模試や入試で「がんばって」といったように思います。

    がんばって乱発です。

    自信がなくて緊張している娘への「がんばって」は、正しかったのか…

    いいやすいからいってしまう。

    応援したいからいってしまう。

    もっとがんばってほしいわけじゃない、ただベストを尽くしてほしいだけ。

    でも口から出るのは「がんばって」でした。

  • 過去問の山

    過去問の本を10冊買いました。

    つまり10校ぶんの過去問を買いました。

    はっきりいって買い過ぎました。

    どうしてこんなに買う羽目になったのか、振り返りたいと思います。

    1冊目は人気上昇中の女子校

    記念すべき過去問1冊目はたしか人気上昇中の中堅女子校A校でした(校名いわずすみません)。

    わが子の希望は共学校。

    だけど、いつ希望が変わっても対応できるようにと、私は独自に女子校を調査、説明会に足を運んでいました。

    説明会を聞いて、すっかりその学校が気に入ってしまった私。

    学校で過去問を買えるというお知らせを聞いて買わなきゃ、と思ってしまいました。

    もちろん書店やオンラインでも買えます。

    しかし学校窓口で買うと、たいていの場合かなりお安く買えるのです。

    それに人気校の過去問は売り切れることもあるといいます。

    娘が万一にも女子校に興味を持った時、私のいちばんのおすすめ女子校を紹介したい!

    説明会を聞いて盛り上がった気分のまま過去問を購入。

    娘の共学希望は変わらず、その過去問が開かれることはありませんでした。

    併願校が二転三転して買いすぎる

    以前も書きましたが、第一志望校が固まったものの併願校はなかなか決まりませんでした。

    そんな中、塾での過去問演習がはじまりました。

    とりあえず3校分の過去問でスケジュールを組んでいきます。

    その時点での第一志望校、チャレンジ校、興味はあるけどまだ説明会に行ってない学校の3つにしました。

    当然その3校の過去問を購入します。

    1回か2回、その3校の過去問を解いた頃でしょうか。

    併願校を変えることにしました。

    チャレンジ校…説明会に行って娘があまり気に入らなかった、思った以上に難関だった

    ⇒別のチャレンジ校に変更

    説明会に行ってない学校…場所がやっぱり遠いし当初ほど興味がなくなった

    ⇒通いやすい場所にあって第一志望に近い偏差値の学校に変更

    この時点で、さらに2校ぶんの過去問が追加されました。

    ここまでに6冊。

    その後も、併願校を変更するたびに過去問を買い足し、最終的に10冊となりました。

    しっかりやった過去問…2冊

    まあまあやった過去問…2冊

    ちょっとだけやった過去問…3冊

    まったく手をつけなかった過去問…3冊

    振り返るとこういった結果でした。

  • 刻々と変わる受験校

    模試のたびに一緒にこどもを待った塾のママ友たち。

    入試が終わったらお互い合否を連絡しようね、と言ってました。

    会話の中でもちろんお互いの受験する予定の学校名も自然と出てきます。

    受験する学校を全部話す人もいれば、私はぎりぎりまで迷っていたこともあり、いくつか候補の学校名を挙げていました。

    当然のごとく、受験する学校は入試期間中に変わっていきます。

    たびたび受験校変更のタイミングが

    変更ポイントを考えてみると…

    2月より前に、すでに色々考えられます。

    埼玉、千葉の前受け校の結果を受けて変える

    前受け校の結果を受けて、受験生の反応を見て変える

    前受け校の結果を受けて、塾の先生のアドバイスで変える

    これが受験校ごとにあります。

    2月1日が始まると

    1日午前校の結果で変える

    1日午前校の結果を受けて、受験生の反応を見て変える

    以下同文、というところです。

    あらゆる想定をしたけど

    前もって、いろいろな変更を想定しておきました。

    受験する可能性がある学校を、事前に全部出願することなどできません。

    だって受験料が高いから。

    もちろんぎりぎりで出願の期限が迫りそうな場合は、受験料を捨てる覚悟で出願しました。

    合否発表のタイミングによって、次の受験校の出願タイミングも変わってきます。

    受験校を変えると、家を出る時間や持ち物、学校までの経路も変わってきます。

    わが家の場合は、1日午後校の不合格を受けて、もう1校受験を増やそうと思いました。

    しかし、娘はこれ以上たくさん受験したくないと言いました。

    1日午前は合格もらえました。

    そのほか、1日午後、2日、3日、だめでした。

    だけどこれ以上は受けないと娘が決めました。

    3日は私の意向もありなんとか受けたので、私もごり押しはしませんでした。

    たくさんの変更可能性をシミュレーションしていました。

    ですが結局、期間中一度も変更のなかったわが子の中学受験でした。

  • 当てにならない直観

    学校説明会や学校見学会では、目を皿に、耳をダンボにしてその学校の情報を集めます。

    メモも細かく取るし、在校生の様子もチェック。

    なのに、帰宅して振り返るとなぜか、学校の印象が頭の中でまとまらないのです。

    だれか決めて、という時に登場

    そんな時に頼りになるのが、直観。

    頭にはたくさんの情報がつめこまれています。

    しかし、しょせん中学受験初心者の私です。

    情報をどう捉えるかがわからないのです。

    あとは直観でさばいていくしかありません。たとえばこんな感じで…。

    なんかいい雰囲気だった。

    楽しそうな感じがした。

    しっかり勉強できそう。

    校内の雰囲気が明るい。

    校舎からオーラが出ていた。

    先生がいい人そうだった。

    書いてみると、なんとも幼児の感想文みたいです。

    せっかく仕入れた詳しい情報が無駄になった気がします。

    理想はあるんです。

    たくさんの情報を仕入れた上で、直観さんに最終決定をしてもらうのです。

    いろいろ調べたけど結論が出ません。

    直観さん、最終ジャッジをお願いします。

    直観「いいっすよ」

    頼んだくせに、その軽さにひいてしまうのでした。

    直観もワンオブゼムで

    いつも自分の直観を信じていて自信がある人にはいいのかもしれません。

    私はそんなに直観でうまくいったことがないかも…。

    じゃあなんで直観? だって、だれかに判断してほしいんです。

    でもだれも判断できないので、自分の中の直観さんに判断を丸投げしようというワケでして。

    結局どうしたかというと、直観さんの答えも情報のひとつとして取り入れることにしました。

    校風はこうだな、授業はこうだな、自分の直観はこうだな。

    ひとつの要素としては大切だと思います。

    でも私の場合は、直観を全面的に採用はできませんでした。

    最終判断は、あの人にしてもらうしかありません。

    その学校を受験するのか、何番目の志望校にするのか。

    直観さん以上に大事な人、それは、受験生本人でした。

  • やる気スイッチも本気モードもなかったけれど

    いつか本気を出すのではと思っていましたが、わが家の場合はスイッチオンもモード変更もありませんでした。

    きょうはきのうの続き、あしたはきょうの続き。

    だからこれまでのこどもと、現在のこどもが、すでにスイッチが入った状態だったようです。

    入試前夜のお菓子作りを見守る

    娘はたまにお菓子作りをします。とくに追い込まれた時に限って。

    もちろん本人はそんなつもりはないのですが。

    親から見ると、え、今?というタイミングでした。

    そして2月1日の本番前夜にもお菓子作りのタイミングがやって来ました。

    というか自分でやり始めたんですけどね。

    うんうん、そうか、今から作るのか。

    うんうん。

    この瞬間、私は悟りの境地に入りました。

    娘は爆発的に集中して勉強するタイプではありませんでした。

    でもやらなくてはいけない範囲は粛粛とこなしていました。

    そして、息抜きをどうするかも自分で決めたい性格です。

    親がコントロールはできないので、気分転換をしつつ勉強に向かってくれたらいいかなと思いました。

    みんなマイペース

    とはいえ、たびたびのんびりしていると親は焦りますよね。

    なんとか机に向かってもらうべく、中学校での楽しい生活について話したり、楽しそうな勉強方法を提案したりしました。

    いま考えると、言っても言わなくても同じだった場合が多かったかな…。

    よく言えばマイペースのまま入試に突入しました。

    どの子にもそれぞれのペースがあります。

    そう思うと、こども全員がマイペースと言えるのかもしれません。

    行きたい中学校はありました。

    娘の場合、行きたい学校の合格という目標は、どこかふわっとぼんやりしていたような気がします。

    親の意向も強かった目標でしたが、娘なりに目標に向かって日々過ごしていたとは思います。

    本人はこう振り返ります。

    中学受験、めちゃくちゃ勉強した、と。

  • 受験していただく、にならないように

    せっかく受験するんだから、元気にしっかり勉強してほしいです。

    たまに気がつくと、勉強をさせたいあまり、ほかのことのお膳立てを全部私がしてしまっていました。

    雑用は全部わたくしがしますので、あなた様はお勉強に集中してください、というなんだかおかしなことに……。

    勉強してほしいが受験一色にはなってほしくない

    もちろん集中してほしいです。

    そしてできれば成績が上がってほしいです。

    なんだかんだそれが本音です。

    だけど、子どもの生活が受験一色になるのには違和感がありました。

    遊びやスポーツなどはセーブするといっても、やっぱりいろんな友達とかかわって、さまざまな経験をすることが成長につながると思います。

    部屋の掃除や料理の手伝いだってしたほうが楽しいし、家族の一員としてやるべきこともあります。

    我にかえって考える

    上げ膳据え膳、好物のおやつやケーキを用意し、体調に気を使い、とやっているとハッと我にかえることがありました。

    万全の体制をととのえたから、あなたは勉強をとにかく頑張って。

    一見親としてよさそうですが、やっぱり私は首をひねってしまいました。

    本来は自主的にやるのが勉強だからかもしれません。

    あなたは勉強だけしてればいいの、となると、こどもからほかの面を奪っているような気がしたからかもしれません。

    私がこれだけやっているんだから、あなたはもっと勉強して成績を上げなさいって思うのがこわかったのもあります。

    入試が終わる前、親として確固としたスタンスを築けず、ゆらゆらしていました。

    いまだに違和感の正体をうまく言い表せないでいます。

  • 運動量は減っても食事量は減らせない

    多くの中学受験生が、受験が近づくと習い事やクラブチームなどを休んだりやめたりしています。

    娘も入塾前に英語教室をやめ、6年生の真ん中くらいにスポーツ教室をお休みしました。

    運動不足とおそい夕食

    娘の場合、スポーツ教室といっても、競争のないゆったりしたタイプだったので、お休みしても一気に運動不足にはなりませんでした。

    やはり日ごろからハードに運動していた子がやめると、影響が大きいようでした。

    運動していないのに食べる量が変わらない。

    塾が終わってから夕飯のため、寝る前にたくさん食べてしまったりする。

    そういうお子さんも多かったです。

    こういうと身も蓋もないですが、もう仕方ないです。

    運動が好きな子ができないだけでもストレスなのに、ダイエットなどさせられません。

    それこそ勉強にプラスにはならないようです。

    もちろん日ごろの食事を揚げ物を減らすとか、野菜を工夫してたくさん食べさせるとかはできます。

    休憩時間にしっかり運動する子も

    受験勉強の休憩時間に、運動をがっつりさせている方もいました。

    こどもが体を動かすのが大好きな場合、少しハード目な運動を時間を決めてしっかりしたほうが、気分転換やストレス発散にもなるし、体力の維持にも役立ちます。

    これはもともと体力があって、運動したほうが精神的にいい子にはすごくいい方法だと思いました。

    もちろんこどもによって違います。

    わが家の娘のようにインドア派の子にハードな運動をさせ過ぎると、その後勉強する体力がうばわれてしまいます。

    たまに友達と鬼ごっこをやりすぎて、塾の前にばてている日もありました。

    親はあーあと思ってしまいますが、疲れていても楽しそうなら良しとしました。小学生ですから。

    入試が終わって運動を再開すると

    食べ過ぎ、というより運動量が少なくなったために食べ過ぎになっている子がいます。

    娘の友達のAくんはスポーツが大好きで、食べる量も大人並みでした。

    塾が終わるとお腹はペコペコ、いつもより早食いになってしまい、寝る前にたくさん食べてしまいます。

    当然体重も増えていって、体型も変わりました。

    だけど勉強をがんばってやっとホッとできる夕食です。

    Aくんのお母さんは、やっぱり好きなものを食べさせたいと思い、とくに食事を制限していませんでした。

    無事に入試が終わり、Aくんはスポーツや友達との外での遊びを再開。

    最後の小学校生活を満喫していました。

    毎日よく動いているといっても、そんなにすぐ体重や体型が変化するわけではありませんでした。

    変わったのは中学校に入ってからです。

    念願の運動部に入ったAくん。

    入った部活は練習が熱心で、さすがのAくんも最初のころはへとへとでした。

    ですがハードな練習をがんばるにつれ、顔はシャープに、体型もどんどんすらっとしていきました。

    身長が伸び始めたこともあります。

    体力もつき、忙しいながらも規則正しい生活を送っています。

    気が付くと、ふわっとしていた小学生は、しっかりがっちりの中学生へと成長していました。

  • 倍率、枚数…苦労する過去問コピー

    過去問をせっせとコピーしました。

    あの倍率、けっこう大変ですよね。

    各ページに書いてある倍率どおりに設定して拡大コピーすれば、実際の問題用紙と同じサイズになります。

    過去問は一冊の本なので、元の問題用紙よりもほとんど縮小されているのですが、その倍率が131パーセントとか124パーセントとか(イメージ倍率)・・・細かすぎて参った!

    しかも科目ごと、年ごとに違うし、問題用紙はまた別の倍率だったりして。

    奥深い過去問コピーの世界

    一度だけ過去問のコピーを夫に頼みました。

    ここに倍率が書いてあるからその通りにって言ったのに、独自の考えにもとづく独自の倍率でコピーしてきました。

    二度と頼みませんでした。

    そこはねばって夫に慣れてもらうより、本当に自分でやったほうがいいと思いました。

    少々倍率が違ってもいいやーと思った時もあります。

    ですが、そのままコピーすると小さすぎて、計算やメモを書く余白もなかったりするので、何かしら拡大しなくてはいけません。

    適当に倍率を設定するっていうのも実は難しくて、妙に端っこがはみ出たり、異常に余白がありすぎたり、なかなかちょうどよくはできないのです。

    つまりは書いてある通りに、一科目ごと、地道にするしかないのです。

    ピコピコとコピー機の倍率を設定して、用紙をA 3にしてみたりB4にしてみたり、過去問を横にしたり縦にしたり。

    書いてある通りにコピーしたのに、問題の途中で切れていて心の中で泣きながらコピーしなおしたり。

    コピーを確認したら、次のページへ。

    新たな倍率を設定し、用紙サイズも設定しなおす。

    ああ、あと20ページあるなあとか思いつつ、ピコピコピコピコ...。

    かさつく指先

    冬で乾燥しているので、手や指はかさかさに。

    たまに紙で指先を切ったりして、薄くにじんだ血をじっと見つめる...。

    コピー用紙に血がつかないようにティッシュで押さえつつ、コピーを続けるのでした。

    涙ながらには語れない感じになってきました。

    わが家は受験用のコピー機は購入しなかったので、コピー機が数台ある近所の店に行っていました。

    寒い朝、真っ赤な過去問をかかえコピー機に向かい合う日々。泣けますね。

  • 1月に学校休む問題

    冬休みが近づくころから、1月に小学校を休むかという話が出てきます。

    わが子の場合は2週間ほど休みました。

    その間はゆっくり受験勉強の時間が取れて、ウイルスももらわずに済みました。

    休みやすかった事情

    娘が受験のころ、コロナが少し再燃したり、ちょこちょこインフルも流行していました。

    いい方は悪いのですが、小学校を休みやすい状況ではありました。

    娘も少しでも風邪気味だと、なるべく休むようにしていて、休みの理由もほとんど体調不良でした。

    でも事前に学校側から中学受験をする生徒の確認があり、受験勉強のための休みも認めてもらえました。

    もちろん休んだ日は欠席扱いとなります。

    年明けから休む友達たち

    年明けから2月まで休む友達もいて、娘は当初1月いっぱい休みたいといっていました。

    そこは私が反対しました。

    うちの子の場合、学校が気分転換になる、一人で長時間勉強するのが難しそう、などの理由があります。

    それに加えて私としては、小学校最後の日々をなるべく登校して過ごしてほしいという思いもありました。

    休んだ2週間は、親子で話してざっくりと勉強時間を決めました。

    きっちり決めてその通りにいかないと、娘も私もストレスに感じるので、できそうな範囲での時間にしました。

    いちばんのメリットは睡眠の確保

    はっきりいって小学校を休んで家で勉強したのが、成績的にどの程度功を奏したのかはわかりません。

    もちろん勉強時間自体は長いはずですが…。

    娘の場合、休んだいちばんのメリットは、睡眠時間が取れることでした。

    塾の帰りは夜9時頃。それからどう急いでも食事をしたりお風呂に入ったりで就寝が遅くなってしまいます。

    ですが休むと、大きな声でいえませんが、朝少しだけゆっくり眠ることができます。

    でもここで要注意なのが、夜型になってしまわないことです。

    近づいてくる入試本番は早朝起床。

    夜型から朝型への変更はなかなか難しいものです。

    なので、少し朝はゆっくり眠れて、しっかり朝ごはんを食べられたのが良かったという感じです。

  • あのマンガが中受のバイブルだった

    「二月の勝者」です。完結してしまいさびしく感じる一方で、一緒に卒業したようなすがすがしい気持ちもします。

    ストーリーに感動しただけでなく、塾や中学校の知らなかった面もたくさん描かれていました。

    受験期間中、折にふれては読み返した、まさに中学受験のバイブルでした。一部ネタバレあります。

    当日の合格発表を支えるのは

    わが子の受けた学校にもありましたが、受験した当日に合格発表をする学校が増えています。

    マークシート方式でもないのに、なんでそんなに早くできるの?と疑問に思っていました。

    その仕組みが、二月の勝者にしっかり描かれていました。

    スピード採点を可能にするのは、人海戦術、関係者たちの頑張りだという、アナログな方法でした。

    先生方が大勢スタンバイし、時間を気にしながらもきっちりと採点していく。採点したものをさらにチェックしたり、部分点をつける解答には、複数で話し合いを持ったりしていました。

    すべての学校が同じではないでしょうが、やはり採点にも学校のカラーが出るのだと思います。

    試験が終わってから、先生方の怒涛の採点を想像すると、私はなんだかあたたかい気持ちになりました。

    こどもたちの一生懸命な解答をしっかり見てくれていると思うと、発表までの時間も緊張が少しだけやわらぎました。

    悲喜こもごも

    合否が発表されると、当然ですが、ひとりひとり結果はちがって受け止め方もまったく違います。

    二月の勝者ではそのひとりひとりの複雑な心の揺れがこまやかに描かれていました。

    ひとりとして同じこどもも親もいません。

    まわりの意見やうまくいった人の情報に翻弄されそうになるたび、このストーリーに出てくるこどもたちのさまざまな場面を思い出しました。

    ずっと調子のいい人なんていないし、自分でも気づかない穴に落ちることもある、いつのまにか気持ちが変わっていることもある…。

    心を一か所に縮めてしまわないためにも、私はこの漫画を読み返していたように思います。