志望校のA判定は素直にうれしい。
しかし受験を終えてみると、一筋縄ではいかないA判定の奥深さを感じました。
奥深さとは? つまり、「鵜呑みにはできない」ってこと。
なぜか出たA判定
娘の通っていた塾の模試は、志望校の合格可能性が80%以上ならA判定になります。
もちろんA判定が出れば、顔に出さないようにしていても頬が自然とゆるみます。まあ大体、同時にDやらEも見ることになりますが。
しかしこのA判定には翻弄させられました。
いつもより得意な分野だったのか、思いがけなくわが子には難しそうな学校にA判定が出ました。
わずかでも希望を追い求めるのが中学受験親のさが。
ワンチャン行けるんじゃね?と娘には使ってほしくないフレーズまで飛び出します。
あきらめられないのは、親
こうなると、いったん抱いた希望を捨てるのはとても難しくなります。受験する学校を決めるにあたって、この親の抱いた希望が冷静な判断の邪魔をするのです。
もちろん、冷静に客観的にと言ったって、親にとっても初めての経験で、そんなに完璧に判断できるわけはありません。
こどもに合った学校を、少しでも進学実績のいい学校を、と冷静どころか私の欲はとどまるところを知りませんでした。
娘は娘である程度決めているんです。それをいちばんに尊重します、当然。
でも、ねえ、あと1校受けてみない? 〇月の模試でA判定出たし。
こどもはその学校に当初ほど興味を示さなくなっていました。
だけど、親の私があきらめられないのです。わずかな希望、一度だけのA判定に。
ごり押しの結果
なかばごり押しで3日目にその「一度だけA判定校」を受けました。
わかっていたのです。過去問も難しかった。
当の本人がその学校に行く気をなくしていて、それは、無理だとわかっていたからかもしれません。
模試を受ければ受けるほど、A判定は遠のいていました。
なのに、親はあきらめられない。
2月3日を迎え、受験3日目で疲れ切った娘をなだめすかして「一度だけA判定校」に向かいました。
娘はがんばりました。
結果は予想されたものでした。
すでにひとつ合格をもらっていて、娘の中では受験は終わっていました。私の欲が娘の受験を引き延ばしていたのです。
チャレンジが必要な場合ももちろんあります。
しかしわが家の場合、娘にとっては余計なあと1校でした。